意地っ張り彼女 〜鍛えてる私が、こんなSMごっこで堕ちるわけないでしょ!?〜

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「……ねえ、航ちゃん。前から思ってたんだけどさ、最近やる気なくない? PB更新できてないよね?」「あのな、そうは言われても……環境変わってすぐ自己新出る奴なんていねーよ……」PBとは、自己記録のこと。つまり、恵美と一緒に部活やってた頃から成長してない、陸上の記録が塗り替わってない、と言っているのだ。「何それ、もう……じゃあ、自己新出せたら何でも言うこと聞いてあげようかな」この一言で、身体中が燃え上がるような感覚を感じた。何でも、言うことを聞く。何でも言いなりになる。恵美が、俺の言いなりになる。恵美が、俺の言うことをなんでも聞いてくれる。なんでも、俺の言うようにしてくれる。PB出したら、なんでも言うこと聞く。恵美の声によるこの言葉で、妙なやる気スイッチが完全に入ってしまった。そこから俺は、連日鬼の形相となって練習に取り組み、そしてついに……自己新記録を達成した。「はあ、はあ……約束だぞ、恵美……俺は、自己新達成したぞ? 俺が達成したんだから、お前も約束を守れっ……ふふふ……ふふふふふふ……約束は約束だからな……俺は、果たした。次はお前の番だ、恵美――」「く、っ……う、うぅう、ううっ……! わ、わかったわよ、約束、果たせばいいんでしょ、果たせば……!!」恵美はひどく不満げだったが、顔を真っ赤にして悔しげに約束履行宣言をしてくれた。そして、次のデートで――

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